軍の礼服を着込んだ俺とめかし込んだ双子のエレーナは 件のオペラハウスに来ていた 俺こんな場所は来慣れてないので緊張しているが 逆に軍関係者ばかりで来るまで緊張していたエレーナは 来慣れている場所のせいかオペラハウスに来た途端落ち着いている そのくせ少し緊張している俺に偉そうに館内の説明までする始末だ 「トロイ!!これこれ知ってる!?」 そう俺の袖を引っ張り階段を指差して 「トロイ知らないだろうから教えてあげるこれが階段って言うんだよ!」 馬鹿にしてるんだな、こいつ…そう思って少し機嫌が悪くなろうものなら 二人がかりでなだめてくる、それも暴力的にだ なのでこんな公の場所では絶対俺は機嫌を損なえない 「ふーん、そりゃ凄い」 乾いた反応をする、玄関ホールでそんな馬鹿なやり取りをしていると 今回の主賓とも言うべきお歴々の方々が続々とやってくる 正直俺はこの連中からは印象が悪い、それはこの体の方に原因があって 全部が全部俺の所為ではないんだが、正直暇があったからといって 好き勝手やってたのも事実で、その事が表面化したあたりから 余計に風当たりがきつくなったのも確かだ なのでここはさっさと退散しておくそう決断したら すぐさま双子の手を引っ張り二階へとあがっていく 間一髪だった、あと少しあの場でエレーナと馬鹿なことやってたら 何言われてた事か… 二階に上がると見知った男がいた、何とアーネストである しかも基地では散々茶化していた俺と同じ礼服を着ていた 「…」 つい言葉がつまってしまう、そりゃそうだ何でこんな前線指揮官丸出しの 軍曹になる為にだけに生まれてきたような男がこんな所にいるんだ 「黙るなよ…笑えよ…」 向こうも気まずそうにこっちの出方を伺ってくる…やり辛い 「貴方はトロイのお知り合いですの?」 そんな気まずい沈黙に助け舟を出してくれたのはサブリナの方だった 「ん?あ、ああそうだよ、あー…君は双子の…」 「サブリナ・ルドヴィングです、こっちは妹のゾフィーです」 エレーナはそうサブリナして挨拶し、ゾフィーを紹介する 「でもさ、なんでおじさん私達のことまで知ってるの?どっかであった?」 「ゾフィー!すみません…」 片方にぶしつけな質問をさせもう片方がそれを制す…エレーナの常套手段だな 聞きづらいことはこのような方法で聞き出してくる ましてや子どもだ油断してぽろっと口を滑らすも