バットマンは死んだ?前編

ライジングのレビューを見ていて色々気になったのでまたしても書いて見ることにした

そう!「ノーラン」版のバットマンの話だ

今回はライジングの話

ライジングであの取って付けたハッピーエンドに見えてる人がいて

それを快く思っていない人がいる

とにかく、プロットの問題が指摘されているが本当にそうだろうが?

今回和訳すれば立ち上がれバットマン的な感じで

バットマンのが立ち上がることがテーマだと私は思ってみている

誰を応援すれば良いか?と訊かれたらそりゃバットマンだろうと答える

今回はバットマンことブルース・ウェインが立ち直る話だ

「人はなぜ落ちるのか、それは、はい上がるということを覚えるためだ」

父トーマス・ウェインの言葉を今回のメインテーマと考えるべきだろう

だからこの作品は正直ノーラン版バットマンファン向けであって

アクションだけ見たい人だと後半凄い大掛かりアクションシーンはあるにはあるが

バイオレンスが無くて少々拍子抜けするし

バットマンファン(シリアス原作の)の人から見たらこのハッピーエンドに腹立つでしょう?

なんで生きてるの?感動返せよ!的な感じで

あとタダのノーランファンというと語弊があるかもしれないが

その人たちも「え!?」と思うだろう

何せノーランはとにかく驚きのエンディングを作る人なので今回みたいなのじゃなくて

なんで今回は私の中ではノーラン版バットマン向けなんだろうなと思った次第だ

その理由を書いていこうと思う

まずここで言っておかなければいけないのは、ビギンズで克服したように見える

ブルースのトラウマは治っていないと言いたい

悪を憎む姿そのものがトラウマで、悪と渡り合う為に使ったイメージが

彼自身トラウマである「蝙蝠」なのだ

彼は井戸に落ちた時から、トラウマの連鎖に見舞われ闇から抜け出せないでいるのだ

ブルースは蝙蝠に対し恐怖を抱いた為、オペラを早く抜けそして両親の死を招いた

それに対しトーマスは息子に「いいんだ」とシンプルに遺言を残した

だがブルースにはその言葉は届かなかった

家に帰ったときアルフレッドに父の遺言のことは話さず、自分を責める事しかしなかった

この時、ブルースの心の中のヒーローを彼自身で殺してしまった

父を死においやった事がトラウマとなり彼を心の奈落へと突き落とす事になる




この時点でいえば、年齢や立場が違うがダークナイトのハービーと同じだったりする

彼の場合は心の支えを全て消された上に顔を焼かれ、激痛の中悪魔の囁きに

耳を貸したのだ、自分同様半分を焼かれ表と裏が出来た父の形見のコイン同様に

彼は公平になったのだ、自分の意思ではなく全て「運」任せて

ちなみにジョーカーは日本語訳では「混沌の本質は」

「恐怖」といっているが本来は「公平」だ、その為トゥーフェイスになったハービーは

公平を訴えこの世で一番公平なもの「運」に全てを託した

その為、最愛の家族を殺す事に加担したラミレスも表が出たため助けている




話を戻すが、ブルースは二人の人によってぎりぎりのところで思いとどまった

少年期に出会ったジム・ゴードンと幼馴染のレイチェル・ドーズだ

アルフレッドは現時点では触れないで置く後で話そうあとゴードンもあとで話す

でレイチェルだが彼女はブルースがゴッサムから離れている間に検事として法廷に立ち

悪と戦っていた

成長し親を殺した仇に恨みを晴らす為

だが結果は、法廷から出てきた仇は、ファルコーニの手下に暗殺される

話を少し飛ばして、法廷をあとにしたブルースとレイチェルは車内で

先ほどの暗殺に対し意見を述べ合っている

「正義が下された」とブルースがいうとレイチェルは「復讐は自己満足、正義は秩序」と反論します

そしてレイチェルはブルースに現在のゴッサム実情を見せ、その上で

この無法地帯を作った張本人ファルコーニのアジト連れて行ってくれます

そしてそこで残酷な現実を突きつけられ、悪と戦おうと決意し七年間ゴッサムを離れます

その間といえば悪を知る為に悪になっていたり

そして思想に基づいた超正義集団に入ったりしていましたが

しそうの違いで決別し、その足でゴッサムに帰ります

ビギンズはここからが本番なんですが今回は関係ないので割愛します

とにかくビギンズではブルースの心は悪でありませんが

暗い闇には落ちていきました、そしてその闇から出ることも這い上がる事もせず

闇からの存在として悪と戦う道を選びました

ブルースの心は何も解決していません

そして一年の月日が流れ、バットマンが登場しゴッサムに平和が訪れたように思えたが

ここに一つの悪が現れますそれがジョーカーです

彼の登場によりバットマンの限界が露呈され、引退に追い込まれます

心の頼りのレイチェルは殺され

闇からしか戦えなかった自分とは違う、法と秩序のヒーロー、ハービー・デント悪に染めてしまう

そしてその原因が自分の存在にあった為、更に落胆

だがジョーカーには勝たせない為、そして自分の撒いた種を刈り取る為

ハービーの全ての罪を背負いバットマンは街から姿を消しました

この時ゴードンは「彼はヒーローだが、今はそのときじゃない」といい

バットマンを「ダークナイト」と呼びます

ビギンズの次作ダークナイトではジョーカーを相手に戦うわけですが

彼は作品中ではバットマンとは対称的な存在として取り扱われています

バットマンは闇から人の心の光を見

ジョーカーは光から人の心の闇を見てます

これは私見ですがジョーカーの初登場シーンが昼なのに対しバットマンは夜

勝手なこじ付けかもしれませんがこのシーンからジョーカーとバットマンの立場が見えてくるように思えます

この勝手な推察ではあるが、バットマンはこの時点でジョーカーには何とか勝てたが

根本的なことは何一つ解決していないというところだろう

事実ノーラン自身もダークナイトを新作というよりは前作と地続き的と評している

バットマンの問題は何も解決していない、それどころかレイチェルを失い

更に落ちて行きそして…ブルースはバットマンになることも半ば諦めてしまいます




そして八年の月日が流れ、偽りの正義によってゴッサムは平和となり

人々はそれを甘受していた

といったところで前編はこれまで

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