バットマンは死んだ?後編




前回書き忘れていたこと

アルフレッドの想像に関しての勘違いが他所のブログであったので

ここで改めて書いておくが、彼の想像は

ブルースがバットマンをする前の話、ビギンズにあった

7年間の修行期間話であって、引篭りをとかしていた8年間ではない

そこに関しては台詞でしっかり言っていたが

私も一度字幕で見たときは、同じ勘違いをしてしまったので

二度目は吹替えでみて確認しました

8年の間の7年と誤解されかねないのでここは見た人が悪いとは一概に言いがたい




バットマンは復活したが、心理状況としては

全てを失い、そして得た平和を守る為に躍起になってるって感じ

その為、人質を助けただけで、根本的な解決には至らず

アルフレッドに叱られています

9年前にレイチェルを助ける為にバットモービルで奔走した時以来です

それだけ、バットマンとしての勘が鈍っているという事です

八年前は常軌を逸した戦いにも見捨てずにいたのも彼の事を信じていたから

だが今回のこれは違う、彼自身が死ぬかもしれない

主、ブルース・ウェインが

アルフレッドは最大の決断をします

ブルースの最後の心頼りを壊します

レイチェルの本心をブルースに語り、バットマンを止めるように説得します

ですが、その言葉はある種の闇に囚われたブルースには届かず

袂を分かつ結果となります

ここからは最愛の理解者を失い更に孤独な戦いを強いられる事になって行きます


このように、バットマンは身内からも精神をボコボコにされますが

更なる追い討ちが、

先の一件のドロボーさんセリーナの盗んだもの「ブルースの指紋」

それが悪用され、文無しになります

現実的にはならないそうですが、ここはゴッサムなってしまうものらしい

ここから話が盛り上がるんですよ色々と

ジョンブレイクとコンビらしきものを組んだり(ちょっとだけね)

ジョンブレイクがゴードンに刑事に認められ正式に捜査に加わったり

ジョンブレイクがベインの計画に気づいてたり

ジョンブレイクがゴードン本部長助けに行ったり

バットマンは…負けてましたベインに

話はバットマンの問題に戻します今更ながらこれ、映画見てる人対象なので悪しからず

バットマンはキャットウーマンにベインの居場所を教えるよう協力を求めます

勿論見返りつきで

ですが裏切られ、ベインの罠にはまります

そして恐らくは影の同盟だと思われる傭兵達の監視の中

ベインとの一騎打ちをする事になります

ですが圧倒的力の差を見せられた上

背骨を一応折られ、その上今まで自分の味方だった筈の闇まできかず

完膚なきまでにやられてしまいました

完全敗北です

そして某国の竪穴式監獄へとつれていかれ

そこでゴッサムが焼かれる姿をタダ傍観する羽目になりました

ここで、ブルースは這い上がる事になります、物理的にも精神的にも

竪穴式監獄から抜け出し、バットマンとしての最後の戦いに挑みます

一方ベインは偽りの平和の象徴であるハービーの化けの皮をはがし

いかにも大物っぽく振る舞い仰々しく演説したりして民衆やら囚人やらを煽ります

いかにも演技ですよ~って感じで

ゴッサムは窮地に追い遣られていきますそして…




バットマンとブルースはどちらが本心だったか?

この時点で明確に分かれてしまった、私はそう思いました

バットの自動操縦は半年前に終わっていましたが個人的にはこの時点では

そこまで考えていなくあくまでバットモービル同様の囮か陽動ぐらいだったでしょうし

彼自身父が守ったこの街を愛し、人たちに立ち上がって欲しいと願いバットマンとなりました

デントがそれを明るい立場から後押しし、そして

悪に屈さない心を芽生えさせる事が出来たのです




※ここで某映画評論家が「ここは…」と批評を言っていた
 「警察対犯罪者」ではテーマにそぐわないのではないか?というもの
 そもそも反乱を起こしているのが民間人じゃなく犯罪者では…と
 色々言っていましたがライジング単体では疑問ですが
 通算で言えば悪の心に挫けてしまった警官がいたわけだし
 そもそもゴッサムの腐敗が警察を追い詰めていたのだから
 ここは警官が先頭切って戦うシーンでも問題ないと思いました




デントの真実の一件でデント法自体は揺るぐかもしれません

ゴッサムの心は強く硬いものになりつつあり、それぐらいでは揺らがないでしょう



最後にやっと本題であり、題名の「バットマンの死」に関して

映画ではバットマンはザ・バットに乗り込み中性子爆弾を海に捨てに行き

爆発に巻き込まれ自らの命を犠牲にゴッサムを守りました

バットマンは神格化されゴードンが言った様に「ゴッサムのヒーロー」として

記念碑を作られ

一方、ウェイン邸では密やかにブルースの葬儀が行われていた

まさかバットマンとして死んだと言えるはずではないので

正体を知っているものだけで行われました

そこから時間が飛び飛びになり

ウェイン邸は孤児院として開放され

バットの自動操縦のプログラミングがブルースの手によって行われていた事

バットシグナルが誰かの手により修復されていたり

ウェイン家の財産の中から母の形見のネックレスが消えていたり

ジョン・ブレイクがバットケイブを見つけたり

そして

ブルースとアルフレッドが再会して

幕が閉じます




ここでバットマンの生死に関しての私の推論は

バットマンは死に

ブルースは生きた

です、変な話ですが私はそう思いました

ブルースは大事な人の為に生き

バットマンは大事なもの為に死ぬ必要があったように見えました

バットマンから話せば

以前から言ったようにバットマンの存在が悪を呼ぶことになりかねない

だからこそ消える必要があったのです

ですが、ある種の伝説として残る必要もありました

後の人の心の支えとして、犯罪者の抑止力として

そしてブルースは大事な人の為に生きなければなりません

暗い闇へ落ちるのを防いでくれた人や

自分を見守り身を案じていてくれた人

新たな愛をくれた人

最後のは勿論セリーナでもう話す事はないぐらいだ

何せ公式の公認カップルなので

次に闇に落ちるのを防いでくれた人、これはゴードンですね

ブルースの自責の念を少しでも緩和しそしてバットマンになった時も

ともに戦い続けてくれた彼こそが、ブルース・ウェインにとっての

恐らくは第二のヒーローだと思います

というのは公式のアナウンスはありませんが

第一のヒーローは恐らく父トーマス・ウェインだと思います

彼を暗い闇から救い出し、暴漢から身を挺して守り

自らを犠牲にしてでもゴッサムを守ろうとした姿勢は

ブルースに受け継がれていますし

ですが、そのヒーローも居なくなってしまい

あとは絶望と無力感しか残っていない中、ほんの少しでも

優しさを傾けてくれた人

ブルースはその人をヒーローだといいました

ジム・ゴードンを

実際ゴードンがバットマンの正体を気にしながら戦う普通の男なら

バットマンもここまで信頼しなかったでしょうし

ここまで戦えなかったと思います

彼の姿勢はバットマンにヒーローだと言わしめるほどのものだったのです

実際ゴードンが正体を知ろうと思ったのも

バットマンのことを考えての事でしたし

その為最後のシーンでバットシグナルを修復し自分の無事を知らせています

次に自分を見守り身を案じていてくれた人

いわずも知れたアルフレッド・ペニーワースでしょう

身を案じすぎたゆえ袂を分かちましたが

それでも、ブルースにとっては大切な人なのですから

ジョン・ブレイクのマスク論争で

ブルースは「マスクは大事な人を守るために必要」といっていました

アルフレッドの事でしょうね

レイチェルとも考えましたが、アルフレッドでFAでしょう

彼、ブルースの異常な行動を見捨てずにいてくれた

彼がいなければブルースは最初で挫けていたに違いない

それを思えばこそラストのあのシーンなのでしょう

恐らくはセリーナと共に世界を旅していてある時期を見計らい

アルフレッドが来るまであの店のアルフレッドの席の向かい

お互いが顔を向け合う形で座る形をとって

アルフレッドが語った夢をそのまま再現するよう

それに付き合ってると思うとセリーナも大変だなぁ

思う反面その関係にニヤニヤしてしまいます



これが二都物語のフランス革命ともう一つの核

自己犠牲による愛の成就だと思いました

二都物語だとダーニーとカートンという2人の青年で

ライジングではブルースとバットマンなのだと思いました

バットマンの自己犠牲によってブルースが生かされたという形です

ブルースとバットマンは同一人物だろう?と思うかもしれませんが

そのことに関して二つきになることがあるんですよ

一つ目は「だみ声」

バットマンの特徴の一つのだみ声

ドスを聞かせて聞き取りづらく前作ダークナイトでも不評でした

ですがそれは改善することなく

今回でもそのまま続けた上に

正体がばれてるメンバー(セリーナとジョン)に対しても

同じように振舞っていました

それはブルースがバットマンを自分ではないと言い聞かせる為に

必要な事だったのではないか?

ブルースは幼少期の経験ゆえ危うい心の持ち主で

バットマンとブルース子の二つの存在を

一つにしてしまうことを避けたかったのではないか?

バットマンは人を超えた存在で法すらも超越する

それはブルースではやってはならない事であり

それを混同する事は決して許されない

心の危うさを強い精神力でカバーした結果

あのような行動にでたのではないだろうかと思ったりしました

彼の中では自分とバットマンは別人なのです、きっと

なので自分会議の結果

バットマンは後をジョン・ブレイクに託し

ブルースの犠牲になることを選んだ

という事なのでしょう


二つ目「ベールがベールを助ける」

これは全然今作とは関係も無いので簡単に書くと

同監督の作品「プレステージ」でクリスチャン・ベールが

テラスの複製機を使って生み出した自分のクローンに助けられる

というトリックを見たので似てる気がする

と只たんに思っただけです


この二つと言って良いか判らない理由で

ブルースはバットマンと決別をしたと思い

そしてバットマンは死んだのだと思いました


最後にもう一つ付け加えるなら

もしバットマンの話を続けるなら

ジョンこと後継者のロビンがバットケイブたどり着き

光を照らしたとき、蝙蝠の大群が暴れるべきだったのではないか

人が入らなくなって結構経ってる筈だし

蝙蝠が出てきてもおかしくないのに、でてくる事無く

バットの離着陸ステーションがせり上がる演出だけで終わりました

これはバットマンはもういないと言う暗示とも受け止められるんではないだろうか?

ここから先は原作を知ってる人にしかわからない事で

私自身原作はにわか以下なので突っ込みとうあったらお願いしたいが

原作でのバットマンは一度引退しても必ず復活する

理由としてはバットマン不在のゴッサムは簡単にあくの手に落ちるからだ

そして、彼を突き動かすのは恐怖の象徴の蝙蝠だ

そして、何よりトラウマを克服できずに引退した為

ライジング最初の時のブルースのように犯罪に過剰に反応してしまう

だが今回のダークナイトライジングでは

トラウマを克服し、ゴッサムの人々を信じ街から姿を消した

彼は街のヒーローとして尊敬され

バットシグナルが出ただけで悪党は怯えるだろう

もしそれに怯まない悪が現れたとしても

後継者がいる

彼の心の成長が伝説に終止符を打ったのだ

映画の最初では最新鋭の鑑識システムがあっても他人を信用できず

自分で調べていたり

バットマンであることに固執していたのに

それを考えれば

彼はトラウマの連鎖からも解き放たれたと受け止められます

原作や他のシリーズ(シリアス版)のバットマンと違う

形のエンディングを迎えたのです

完全に終止符を打つならブルース諸共殺すより

ブルースにトラウマを克服させて街をさらせた方が

より最後としては納得がいきます




これが私のダークナイトライジングの感想です

きわめて好意的に見えたりしますが

この作品を単体だけで只の一回だけ見て

この夏の特有ハリウッド映画としてみると

がたっと評価が落ちます

長いわりに抜け落ちてるところや説明不足が多く

無理な設定があったりで前作のあの凄いみはどうした!?

と突っ込まずには入れません

あと街が平和になったのって、デント法だけじゃなく

前作で意図的じゃないがジョーカーがマフィアの軍資金、全部燃やして

組織をガタガタにしたせいもあるよなぁとか思ったりもしました

今作は前作前々作と合わせて見ると涙が止まりませんでした

初回はタオルを片手に見に行ってゴードンの最初のシーンで泣き

バットマンが出てきたときにも泣いたりで

泣きっぱなしでした

あとクレイン先生の登場シーンでは笑いました

長々としたレビューでしたがこれにて終了です

お疲れ様でした

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